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第1回新JICAの環境社会配慮ガイドラインの検討に係る有識者委員会が開催

〜JICA・JBICの閉鎖的な対応に批判が集中!〜


2008年2月14日、第1回新JICAの環境社会配慮ガイドライン(以下ガイドライン)の検討に係る有識者委員会が開催されました。この有識者委員会は、2008年10月のJBIC海外経済協力業務とJICAの統合を目処に、両機関の環境社会配慮ガイドラインを改訂・統合するための議論を行う場で、委員は、学識経験者、NGO関係者、産業界、省庁担当者から成る16人。 第一回は一般からも50人程が参加する盛況ぶりでした。

有識者委員名簿、開催案内、資料などは以下のページより:
http://www.jbic.go.jp/japanese/environ/establishment2/index.php

並行して開催されているJBIC(国際金融等業務)のコンサルテーション会合に比しても、新JICAの委員会の運営は、閉鎖的で不透明な対応が目立ち、早くも今後のガイドライン改訂プロセスの行方が懸念されています。

当日の主な論点は以下の通りです。

1. 「司会は事務局」への疑問続出

委員会の司会進行役をJICA・JBICが担うとの提案がJICA・JBIC自身から出されましたが、委員会の独立性や議事進行の中立性に対する疑問の声が委員や参加者から多数あげられました。この論点は時間内に決着が付かず、再度、第2回にJICA・JBICが案を出し、議論することになりました。

2. 曖昧で根拠不明な「自己採点簿」のゆくえ

JICA・JBICからこれまでのガイドラインの実施状況を確認した報告書が提出されました。

環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン実施状況調査(海外経済協力業務)<PDF>:
http://www.jbic.go.jp/japanese/environ/establishment2/pdf/02.pdf
JICA環境社会配慮ガイドラインの運用実態の確認報告<PDF>:
http://www.jbic.go.jp/japanese/environ/establishment2/pdf/03.pdf

委員や一般参加者からは「案件名がすべて伏せられている。不透明であり、あまりに曖昧」「根拠・意味不明な記述が多い」「ガイドライン改訂のための土台となる調査とは思えない」などの指摘が出されましたが、中身の議論はほとんど行えず、第2回に議論することになりました。

なお、本報告書に対しては、下記の通りコメント・意見書が提出されています。

環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン実施状況調査(海外経済協力業務)に対する意見(田辺有輝)<PDF>
http://jbic-watch.net/jp/guidelines/080217_01.pdf
「JICA環境社会配慮ガイドラインの運用実態の確認報告」に関する意見(満田夏花、松本悟、和田重太、川村暁雄)<PDF>
http://jbic-watch.net/jp/guidelines/080217_02.pdf
別添1:国際協力機構(JICA)環境社会配慮審査会第1期のまとめについて(報告)<PDF>
http://jbic-watch.net/jp/guidelines/080217_03.pdf
別添2:無償資金協力「プノンペン市廃棄物管理改善計画」のカテゴリ分類について<PDF>
http://jbic-watch.net/jp/guidelines/080217_04.pdf
別添3:バングラデシュ・パドマ橋建設事業(答申に付された補足意見)<PDF>
http://jbic-watch.net/jp/guidelines/080217_05.pdf

3. 早くもドラフト? 結論ありきの有識者委員会

JICA・JBICから、第2回に新しいガイドラインのドラフトを提出したいとの提案が出されました。これに対し、複数の委員から、まずは実施状況確認調査についてしっかりと議論を行うべきとの意見が出され、第2回にドラフトを出す提案は引き下げられました。

4.「意見は受け付けるが、回答はしない」

「ガイドライン実施状況確認調査/運用実態の確認報告に対する一般参加者からの質問に対して、JICA・JBICは回答すべき」との意見に対し、JICA・JBICからは「意見は受け付けるが、回答はしない」と発言があり、会場が騒然となりました。委員から「ODAなのだから、透明性を持ってやってもらいたい」との意見が出されましたが、JICA・JBICはこれについては明言を避けました。

* * *

今回の有識者会合では、以下のように強引で恣意的なJICA事務局側の委員会運営が目立ちました。

  • 委員会の機能を、事務局の示したガイドライン案に対してコメントを言うだけの場に限定しています。委員長を置かず、議事進行をJBIC/JICAが行うことは、委員会の主体性・独立性を損ねるものとなりかねません。
  • 現行ガイドラインの評価作業も実質的には始まっておらず、新JICAの業務内容も不明な内から、第2回の委員会に早くもガイドライン案を示そうというJICAの態度は、すでに「結論ありき」の委員会運営であるように思われます。
  • 外部からの意見は、「時間があれば議事の最後に聞く」という運営方針は、「外部意見を聞くが、委員会議論には反映させない」という姿勢の表れです。
  • 「外部意見を受け付けるが、回答はしない」というJICA側回答には、JICAの見識を疑わせるものがありました。

さらに、JICA/JBICから公表された現行ガイドライン実施状況調査のお粗末極まりない内容には、委員側も「具体的な質問が困難なほど」と嘆息するほどです。同時並行で進められているJBIC国際金融等業務のガイドライン改訂プロセスが、情報の不足や商業上の秘密など多くの制限を抱えながらも、現在までのところ、透明性や民主的な運営手法などの努力を行っているのと対照的な新JICAのガイドライン改訂プロセスのスタートとなりました。

文責:「環境・持続社会」研究センター(JACSES) 田辺有輝

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