| 11月26日、国際協力銀行(JBIC)が支援するプロジェクトによる現地での環境社会問題の解決を目指して活動する日本のNGO、14団体が、環境社会配慮基準の強化を求めて共同で提言書を提出しました。
JBICは、ODAや日本企業の海外活動を公的融資により支援していますが、海外における大規模インフラ建設や資源開発が多くの環境社会問題を引き起こしてきたことに対する市民社会からの批判もあり、2002年4月、「環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン」を策定しました。現在5年が経過し、JBICはガイドラインの改訂に先立ち、その実施状況に関する確認をしています(注1)。
私たちは、同ガイドラインが施行される以前より、JBICが支援してきたプロジェクトで負の影響がある場合には問題を提起し、解決・改善するために市民の立場から活動してきました。そして2003年にガイドラインが施行されてからは、その運用の実態に注目してきました。その結果、ガイドライン施行後も多くの問題が引き続き発生していること、現行ガイドラインは世界銀行など他の国際基準と比較して多くの改善すべき点があることが明らかになってきました。
このような経緯から、JBICが支援してきたプロジェクトを評価し、現地で問題となった点あるいは私たちが問題としてきた点とガイドラインの運用を検証するとともに、ガイドライン策定以降の国際金融機関を巡る情勢を踏まえ、「環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン強化に向けた提言書」を作成し、JBICに提出しました。
提言書の主なポイント(注2):
- JBICによる情報公開の範囲を拡大し、説明責任を強化すること
- 事業実施において被影響住民との意味のある協議が適切に行われるようにする
こと
- 融資審査等において独立した専門家、NGO等を含めた環境社会配慮審査会を設
置すること
- 非自発的住民移転を伴う事業においては、適切な住民移転の計画を作成・公開
を求め、移転住民の貧困化が起こらないよう適切な補償を確保すること
- 先住民族への影響がある場合に自由で事前の、十分な情報を得た上での合意を
必要事項とし、先住民族の権利の認知を行うこと
- 原子力関連案件への支援に際する規定を整備し、配慮を強化すること
(注1)政府系金融機関改革の結果、2008年10月よりJBICのODAを担う部門が国際協力機構(JICA)と統合、日本企業等の海外事業支援を担う部門が他の政府系金融機関と統合し、日本政策金融公庫の国際部門となることが決まっている。ガイドラインが施行されて5年以内に包括的な検討を行って、その結果必要に応じて改訂を行うとされているが、現在、前述の組織改編もあり改訂が検討されている。
(注2)提言書の本文は、ウェブサイト(http://www.jacses.org/)をご参照ください。
「環境・持続社会」研究センター(JACSES) 担当:田辺有輝
原子力資料情報室 担当:西尾漠
国際環境NGO FoE Japan 担当:神崎尚美
市民外交センター 担当:木村真希子
メコン・ウォッチ 担当:福田健治
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