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JBICは、融資審査の際、審査対象の事業による環境社会影響の規模及び程度に応じて、分類をしていますが、この分類によって、事業に求められる環境社会配慮のレベル等が異なり、当然、影響が大きければそれだけの対応が要求されることになります。
具体的には、以下のように分類されます。
<カテゴリーA>
環境への重大で望ましくない影響のある可能性を持つようなプロジェクト(「環境アセスメント報告書」のJBICへの提出は必須)
<カテゴリーB>
環境への望ましくない影響が、カテゴリーAプロジェクトに比して小さいと考えられるプロジェクト(「環境アセスメント報告書」のJBICへの提出は任意)
<カテゴリーC>
環境への望ましくない影響が最小限かあるいは全くないと考えられるプロジェクト
さて、オマーン国北西部陸上の「ガス開発プロジェクト」は、カテゴリーBに分類され、2005年10月1日にはJBICによる環境レビューも終了し、既に融資が決定しています。しかし、JBICの環境ガイドラインでは、石油・ガス開発は往々にして大規模であるため、「一般的に影響を及ぼしやすいセクター」に例示され、通常はAに分類されることになっています。
カテゴリーAの場合、事業の影響を予測し、その影響回避・最小化・緩和の対応等が書かれている「環境アセスメント報告書」の提出は必須となっています。しかし、カテゴリーBの場合は、JBICの環境ガイドラインによると、事業者による任意提出です。同事業では、オマーンの法律で要求されていないことから、「環境アセスメント報告書」は作成されてません。
ここで、オマーンの法律について文句を言っても仕方ないでしょう。問題は、JBICが石油・ガス開発事業のように大規模な周囲への環境社会影響をもたらすであろう事業をカテゴリーBに分類し、「環境アセスメント報告書」の作成を事業者に求めることなく、融資契約に至ったことにあります。オマーンの法律がどうであろうと、JBICガイドラインの基準に照らして、石油・ガス開発事業は、カテゴリーAに分類され、「環境アセスメント報告書」が作成されるべきではなかったのでしょうか。逆に、それが満たされない場合には融資を行わない、もしくは、事業者に対し環境アセスメントの実施を求めていくような姿勢を、JBICには持ってほしいと思います。さらに、同事業に関して言えば、JBICは、「環境アセスメント報告書」がなかったために、カテゴリーAではなく、「環境アセスメント」が必須ではないカテゴリーBに分類するという、本末転倒な融資審査のプロセスを踏んだのではないかと、疑ってしまいたくなってしまいます。
カテゴリー分類という、枝葉末節の議論に聞こえてしまうかもしれませんが、このような環境社会に配慮していない事業に対してJBICが甘い融資審査をし、資金的な支援していることが積み重なって、環境破壊等の地球規模での環境・社会問題を悪化させていることは否めません。一つ一つの事業に対して、事業のゼロ・オプションも含めた形で、丁寧に環境・社会配慮がなさるべきですし、また、JBICはそれを遵守できない事業には、融資すべきではないのではないでしょうか。
参考:オマーン北西部陸上のガス開発プロジェクトに関する、JBICによる環境チェックレポート
2006年1月25日(る)
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